Ws Home Page (今日の連載小説)


安達美智子

2001年4月22日:本田宗一郎物語(第122回) を読んで

いつからかとても悲しくなり、ずっとそれをひきずっていて、
読むのが辛く感想が変になっていたこともしばしばですが、
最後には笑えてよかったです。
川本さんがつい「そうですね。」と言ってしまったところ、
おかしかったです。
「おやじさんの喜ぶ顔がみたくてやっていたのかもしれない」
というセリフもよかったです。

ドリームテクノロジーズの技術部の皆さんを見ていると、
「天才の孤独」というものを現実のものとして、
痛いほどに辛く感じていましたので、
最後は、天才の孤独ではなくて、凄さ、偉大さで終わってよかったと、
安堵しています。

 喜んでもらえる人がいない、
 怒鳴ってくれる人がいない、
ということは、そういうことなのかもしれない

おっしゃるとおりだと思いました。
川本さんではありませんが、意識こそしていないものの、
喜んでもらえる、怒鳴ってくれる人の存在があるからこそ、
予想外の力を発揮できるのだと思います。
自分自身でも感じたことがあります。
予想以上に出来たことに対して思い返してみたとき、
そこには「喜んでもらいたい」という気持ちがあったように思います。
でも、その存在があるときはなかなか実感できずに、
失ってはじめて、その存在の大きさに、ありがたさに、
気づくような気がします。

本田宗一郎物語の感想、正直言って辛かったです。
みなさん感じておられることと思いますが、
現実とかなりダブルところがあったので、入り込んで重くなってしまったんだ
と思います。
毎回読むのに勇気がいる、読み応えのある、また考えさせられる、
素晴らしい小説でした。
振り返ってみると、そこには今までにはない自分がいます。
少しではありますが、考え方、捉え方、進め方、
意識の上で確実に成長した自分を感じ、
今ではとてもありがたく思っています。
信念をもって困難に立ち向かうこと、
自分に理解できないことは信じること、
なによりも愛情をもってすること、
多くのことを学ばせていただきました。
自分自身を振り返り反省する、また高める素晴らしい機会を、
そして感動をあたえていただいたことを、
とても幸せに思っています。

長い間、大変お疲れさまでした。


Back
Home



Mail to : Wataru Shoji